野球は9人で行うスポーツであり1番から9番まで打つ順番(打順)が決まっています。
打順は試合に勝つ上で重要な要素の一つで各打順ごとに求められるスキルや役割が異なります。
そしてそんな攻撃陣のことを打線と呼び、何本も連続してヒットが出ると「打線がつながった」という表現をしますね。
本記事ではそんな打順・打線の意味や各打順の役割の違いについて解説していきます。
✔︎本記事の内容
- 野球における打順・打線とはどういう意味?
- 各打順の役割の違い(上位打線・下位打線)
- 【コラム】2023年WBCの侍ジャパンスタメン
野球における打順・打線とはどういう意味?
野球における打順と打線の意味は次のとおりです。
- 打順(だじゅん):9人の打者が打席に立つ順番のこと
- 打線(だせん):攻撃陣の打者の並びのこと
打順が打席に立つ順番を表しているのに対して、打線は攻撃陣全体の並びを示した用語になります。
各打順の役割の違い
野球は9人で行うスポーツですが1番から9番までの各打順で役割が違います。
4×100mリレーの1走、2走、3走、アンカーそれぞれの役割が違うことと考えは似ていますね。
そして9人の打線は大きく分けて上位打線と下位打線に分かれています。
打順の数字が小さい方がよく打席が回ってくるので上位打線、後ろの方の打線が下位打線と呼ばれています。
上位打線
上位打線とは1番打者から5番打者までのことを言います。(6番打者を含む場合もあります)
絶対的な正解はないですがおおまかに次のような役割分担で上位打線が形成されます。
✔︎上位打線の役割例
打順 | 求められるスキル・役割 |
---|---|
1番 | 足が速い、出塁率が高い、盗塁がうまい |
2番 | 足が速い、バントがうまい、臨機応変な対応 |
3番 | 足が速い、チャンスに強い、走攻守揃った打者 |
4番 | パワーがある、チャンスに強い、チームの最強打者 |
5番 | パワーがある、チャンスに強い、4番に次ぐ打者 |
下位打線
下位打線とは6番打者から9番打者までのことを言います。(6番打者を含まない場合もあります)
下位打線は打撃力をそこまで期待しておらずどちらかというと守備力を優先した人選になります。
特に守備力の高さを求められる捕手(キャッチャー)とピッチングに専念してほしい投手(ピッチャー)がよく下位打線に配置されますね。
✔︎下位打線の役割例
打順 | 求められるスキル・役割 |
---|---|
6番 | パワーがある、3,4,5番が返し損ねた走者を返す |
7番 | パワーがある、守備がうまい |
8番 | 守備がうまい |
9番 | 守備がうまい、投手 |
【コラム】2023年WBCの侍ジャパンスタメン
2023年の第5回WBC日本代表のスタメンがかなり理想的な打線だったのでここで紹介します。
下記のメンバーでアメリカとの決勝戦を戦って見事日本は14年ぶりのWBC優勝を果たしました。
✔︎2023年WBC決勝戦の日本代表スタメン
打順 | 守 | 選手名 | 選手の特徴 |
---|---|---|---|
1 | 中 | ヌートバー | メジャーで前年14本塁打、初の日系人の日本代表 |
2 | 右 | 近藤 | 2年連続最高出塁率、通算出塁率4割越え |
3 | 指 | 大谷 | メジャーで104年ぶりの二桁勝利二桁本塁打 |
4 | 左 | 吉田 | 2023年WBCで1大会歴代最多の13打点をマーク |
5 | 三 | 村上 | 令和初の三冠王、史上初の5打席連続本塁打 |
6 | 一 | 岡本 | 5年連続年間30本塁打、2年連続本塁打王打点王 |
7 | 二 | 山田 | 史上唯一のトリプルスリー複数回達成者(3回) |
8 | 遊 | 源田 | 守備の花形であるショートとして5年連続GG賞※ |
9 | 捕 | 中村 | 扇の要である捕手として昨年リーグ優勝に貢献 |
※GG賞:ゴールデングラブ賞(最も守備力に卓越した選手に与える賞)
- 1番にはメジャーリーグの投手との対戦に慣れている日系アメリカ人のヌートバー選手
- 2番には4割を超える通算出塁率を誇る近藤選手
- 3番にはメジャーリーグでも毎年MVP候補に上がるほどの強打者大谷選手
- 4番から6番にはチャンスに強いパワーヒッター吉田選手、村上選手、岡本選手
- 7番から9番にはセンターラインである二塁手、遊撃手、捕手を守る山田選手、源田選手、中村選手
1番から9番まで適材適所の選手を配置しているまさに理想的な打線で野球ファンなら思わず惚れ惚れしてしまいますね。
以上です。