本記事では野球におけるセンターラインの意味とその重要性について解説していきます。
✔︎本記事の内容
- センターラインとはどういう意味?
- センターラインが重要と言われる理由
- プロ野球の鉄壁センターラインを紹介【2000年以降】
目次
センターラインとはどういう意味?
センターラインとは、
キャッチャー、セカンド、ショート、センターのこと
を意味しています。
ピッチャーを除く8つのポジションの中で特に守備力を重視されるポジションをまとめてセンターラインと呼んでいます。
人によってはピッチャーもセンターラインに加える場合もありますね。
センターラインがしっかりしているチームはそうそう守備で大崩れすることはないので、守備力の高い選手はこれらのポジションに配置されやすいです。
センターラインが重要と言われる理由【求められる役割が大変】
センターラインはなぜ守備力が重視されるポジションなのでしょうか?
理由はポジションそれぞれで異なり、
- キャッチャー:守備の司令塔として試合を作る
- セカンド・ショート:あらゆるプレーに対応する
- センター:広い守備範囲に対応する
といった役割が要求されるからです。
それぞれ解説していきます。
キャッチャー:守備の司令塔として試合を作る
キャッチャーは扇の要とも呼ばれる守備の司令塔です。
ピッチャーのリード、投球の捕球、バッターの観察、守備位置の指示、盗塁の阻止などめちゃくちゃ忙しいポジションなのは間違いないですね。
守備でやることがたくさんありすぎるのでバッティング能力は二の次になることが多いです。
セカンド・ショート:あらゆるプレーに対応する
セカンド・ショートはグラウンドの真ん中にいるのでさまざまなプレーに関わることになります。
内野ゴロ・フライの処理、中継プレー、ベースカバー、牽制の指示、外野への投球サインの伝達などなどセカンドショートもやることがたくさんあります。
高い守備力と豊富な運動量が求められる重要なポジションですね。
センター:広い守備範囲に対応する
センターは9つのポジションの中で一番守備範囲が広いポジションです。
自分への打球に対応するだけでなくレフト・ライトへの打球のカバーや守備位置の指示も行います。
プロ野球のゴールデングラブ賞の外野手部門でもセンターの選手が受賞することが多いですね。
センターラインの重要性はWARにも反映されている
センターラインの重要性はセイバーメトリクスのWARという指標にも反映されています。
WARとはどれだけ自チームの勝利を増やすことができたかを表す指標です。
投手と野手の全員を一つの物差しで評価でき、WARが大きいほどチームへの貢献度が高いことを意味しています。
詳しくは「【野球】WARってどういう意味?算出方法や評価基準をわかりやすく徹底解説!」をどうぞ。
WARではポジションごとの体への負担を考慮して守備位置補正の計算が行われています。
守備位置補正は次の表の通りで、数値が大きいほど守備負担が大きい(=重要なポジションである)ことを意味しています。
✔︎WAR(DELTA)の守備位置補正値表
ポジション | 守備位置補正 |
---|---|
捕手 | 18.1 |
遊撃手 | 10.3 |
二塁手 | 3.4 |
中堅手 | 4.2 |
三塁手 | -4.8 |
右翼手 | -5 |
左翼手 | -12 |
一塁手 | -14.1 |
指名打者 | -15.1 |
DELTAによる算出方法では
- キャッチャー、ショート、セカンド、センターがプラス評価
- サード、ライト、レフト、ファースト、指名打者がマイナス評価
をすることによって守備位置による有利不利を補正していますね。
つまりセンターラインの選手とセンターライン外の選手の打撃成績が全く同じだった場合は、守備負担の大きいセンターライン選手の方がWARの評価が高くなります。
プロ野球の鉄壁センターラインを紹介【2000年以降】
近年のプロ野球で特に堅い守備を誇るセンターラインはどんなメンバーだったのでしょうか?
今回は同年中に同じチームからゴールデングラブ賞(GG賞)を獲得したショート、セカンド、センターの選手たちを紹介します。
2000年以降に同時に同じチームのセンターラインがGG賞を受賞したのは次の選手たちです。
- 【2004中日】井端・荒木・アレックス
- 【2005ロッテ】小坂・西岡・サブロー
- 【2009日本ハム】金子誠・田中賢・糸井・鶴岡
- 【2018広島】タナキクマル
調べてみて分かったことですがセンターライン(ショート、セカンド、センター)の3選手が全員GG賞を受賞したチームは全てのケースにおいてリーグ優勝も達成しています。
それぞれの選手たちについて解説します。
【2004中日】井端・荒木・アレックス
シーズン結果:5年ぶり6度目のリーグ優勝
- 1番セカンド荒木
- 2番ショート井端
- 5番センターアレックス
この年はアライバコンビに加えて強肩強打のアレックスがGG賞に輝きました。
落合監督就任1年目の年でしたが、前年優勝の阪神・史上最強打線の巨人を抑えてリーグ優勝を果たしていますね。
【2005ロッテ】小坂・西岡・サブロー
シーズン結果:31年ぶり5度目のリーグ優勝と3度目の日本一
- 1番ショート小坂
- 2番セカンド西岡
- 4番センターサブロー
この年のロッテは「先発投手6人が10勝以上」「勝利の方程式YFK」「33-4」の活躍が目立ちますが実はセンターラインの守備も非常に堅かったです。
小坂選手・西岡選手・サブロー選手がGG賞に輝きました。
特に小坂選手は平成の牛若丸と呼ばれ、城島選手から「小坂さんがいると毎試合ヒットを1本損する」と評価されています。
【2009日本ハム】金子誠・田中賢・糸井・鶴岡
シーズン結果:2年ぶり5度目のリーグ優勝
- 1番セカンド田中賢
- 7番センター糸井
- 8番キャッチャー鶴岡
- 9番ショート金子誠
2009年の日本ハムはなんとキャッチャー鶴岡選手を含めた4選手のセンターラインがGG賞に輝いています。
金子誠選手は打率3割にも関わらず9番に座り続けたので「恐怖の9番打者」という異名を得ていますね。
【2018広島】タナキクマル
シーズン結果:3年連続9度目のリーグ優勝
- 1番ショート田中
- 2番セカンド菊池
- 3番センター丸
黄金期の広島カープを象徴する存在の同級生トリオ、タナキクマルが2018年にそろってGG賞を受賞しました。
丸選手は打撃でも打率.306、39本、97打点の活躍を残し2年連続の最優秀選手賞に輝いています。
ただし丸選手のFA移籍とともにこの年限りでタナキクマルは解体してしまいました
センターラインまとめ
本記事では野球におけるセンターラインについて解説しました。
- センターラインとは、キャッチャー、セカンド、ショート、センターのこと
- キャッチャー:守備の司令塔として試合を作る
- セカンド・ショート:あらゆるプレーに対応する
- センター:広い守備範囲に対応する
- センターラインはWARの守備位置補正においてもプラス評価を得ている
以上です。