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【プロ野球】人的補償とプロテクトについて徹底解説!拒否権はあるの?

【プロ野球】人的補償とプロテクトについて徹底解説!拒否権はあるの?

※本ページにはプロモーションが含まれます。

こんにちは。

  • プロ野球ニュースを見ていたら人的補償とプロテクトという用語が出てきたんだけどどういう意味だろう
  • 人的補償選手は移籍を拒否することができるの?
  • FA選手よりも人的補償選手の方が活躍したケースを教えてほしい

今回は上記のような疑問を解決していきます。

人的補償はプロ野球の移籍事情を知る上で重要なワードになります。

✔︎本記事の内容

  • 人的補償とプロテクトの意味
  • 人的補償が必要なケースや金銭補償について
  • 人的補償の拒否権
  • FA選手よりも人的補償選手が活躍した実例

ぜひ最後まで読んでみてください。

人的補償とプロテクトとは?

人的補償とプロテクトはそれぞれプロ野球のFA権に関わる制度です。

補足:FA権とは長期間活躍した選手が他球団に移籍できる権利のこと

  • 人的補償:FA権を行使して移籍した選手の代わりに移籍先の球団が放出する選手のこと
  • プロテクト:人的補償によって主力選手が流出しないように防御する制度のこと

それぞれ詳しく解説していきます。

人的補償とは?【代わりにあげる選手のこと】

人的補償とはFA選手を獲得した球団から補償選手を放出することです。

なぜ人的補償という制度があるかというと、FA移籍した選手が元々いた球団が弱体化しないようにするためですね。

戦力均衡のために人的補償という制度が作られました。

例えば2021年の中日又吉投手がソフトバンクにFA移籍した例では、

上図のように又吉投手の補償としてソフトバンク側は岩嵜投手(人的補償)と年俸の40%(金銭補償)を出しました。

FA選手の補償には「金銭補償」と「人的補償」の2種類があり、補償内容は「人的補償と金銭補償」「金銭補償のみ」を移籍元の球団が選択することができます。(2021年又吉投手移籍の場合は「人的補償と金銭補償」)

プロテクトとは?【主力を取られないための防御】

プロテクトとは人的補償によって主力選手が流出しないように防御(プロテクト)する制度のことです。

プロテクト枠として28人をリストアップし補償先球団に提出します。

補償先球団は提出してもらったリストをもとに以下の選手以外を人的補償として獲得できます。

  • プロテクトした28人の選手
  • 外国人選手(日本人扱いの外国人も含む)
  • 直近のドラフトで獲得した新人選手
  • 育成選手

プロテクトで主力選手を防御することはできますが将来有望な選手を取られるリスクもあるのでFA獲得に慎重になる球団も多いですね。

※日本人扱いの外国人についてさらに知りたい人は以下の記事も合わせて読んでみてください。

人的補償が必要なケース

FA移籍ではFA選手のランクによって人的補償が必要がどうかが決まります。

ランク 対象選手
ランクA 前球団の旧年俸順に1-3位
ランクB 前球団の旧年俸順に4-10位
ランクC 前球団の旧年俸順に11位以下

※ランク付対象選手は日本人選手のみで外国人選手は対象外

ランクAとランクBの選手がFA移籍する場合は獲得球団は人的補償選手を放出しなければいけない可能性があります

ランクC選手の場合は無償で獲得することが可能なので、FA市場では人気が高いですね。

人的補償と金銭補償の決まり

ランクによる補償内容は次のように決まっています。

ランク 人的補償なし 人的補償あり
ランクA 旧年俸の0.8倍の金銭 獲得制限外の選手+旧年俸の0.5倍の金銭
ランクB 旧年俸の0.6倍の金銭 獲得制限外の選手+旧年俸の0.4倍の金銭
ランクC 補償不要 補償不要

ランクA・ランクBの選手が移籍した場合は「人的補償+金銭補償」か「金銭補償のみ」のどちらかをFA移籍元の球団が選択できます。

またFA選手が2度目以降のFA移籍だった場合は金銭価格が半額になります(例:0.8倍の金銭の場合は0.4倍の金銭になる)

特にランクA選手は大きな実績を提げてFA移籍することになるので、獲得球団は補償を出すリスクが伴いますね。

人的補償選手に拒否権はある?

人的補償として選ばれた選手に移籍を拒否する権利はありません。

もし拒否してしまうと資格停止選手(出場停止選手)となってしまいます。

資格停止選手になると1軍や2軍の試合はもちろんのこと、オープン戦にすら出場することができず、移籍することも不可能になってしまいます。

強烈なペナルティですね

しかしながらこれまでに人的補償による移籍を拒否した前例はありません。

歴代人的補償リスト一覧

これまでにFA移籍選手の人的補償選手として移籍した選手の一覧を紹介します。

実績のある選手でも人的補償選手になっているケースがありますね
年度 人的補償選手 前所属→移籍先 FA選手
1996 川邉忠義 巨人→日本ハム 河野博文
2002 平松一宏 巨人→中日 前田幸長
2002 ユウキ 近鉄→オリックス 加藤伸一
2006 小田幸平 巨人→中日 野口茂樹
2006 江藤智 巨人→西武 豊田清
2007 吉武真太郎 ソフトバンク→巨人 小久保裕紀
2007 工藤公康 巨人→横浜 門倉健
2008 赤松真人 阪神→広島 新井貴浩
2008 福地寿樹 西武→ヤクルト 石井一久
2008 岡本真也 中日→西武 和田一浩
2011 高濱卓也 阪神→ロッテ 小林宏之
2012 藤井秀悟 巨人→DeNA 村田修一
2012 高口隆行 ロッテ→巨人 大村三郎
2013 高宮和也 オリックス→阪神 平野恵一
2013 馬原孝浩 ソフトバンク→オリックス 寺原隼人
2014 一岡竜司 巨人→広島 大竹寛
2014 藤岡好明 ソフトバンク→日本ハム 鶴岡慎也
2014 鶴岡一成 DeNA→阪神 久保康友
2014 脇谷亮太 巨人→西武 片岡治大
2014 中郷大樹 ロッテ→西武 涌井秀章
2015 奥村展征 巨人→ヤクルト 相川亮二
2016 金田和之 阪神→オリックス 糸井嘉男
2016 平良拳太郎 巨人→DeNA 山口俊
2017 尾仲祐哉 DeNA→阪神 前田大和
2017 高木勇人 巨人→西武 野上亮磨
2018 内海哲也 巨人→西武 炭谷銀仁朗
2018 竹安大知 阪神→オリックス 西勇輝
2018 長野久義 巨人→広島 丸佳浩
2019 小野郁 楽天→ロッテ 鈴木大地
2019 酒居知史 ロッテ→楽天 美馬学
2020 田中俊太 巨人→DeNA 梶谷隆幸
2021 岩嵜翔 ソフトバンク→中日 又吉克樹

FA選手よりも活躍した人的補償選手

FA選手よりも活躍した人的補償選手として有名なのが一岡竜司投手です。

2013年オフに大竹寛投手の人的補償として巨人から広島に移籍しました。

2014年の一岡投手は防御率0.58の好成績をおさめ、同年のオールスターにも選ばれています。

さらに2016〜2018年の広島カープリーグ三連覇にも大きく貢献しています。

一方FA移籍した大竹投手は巨人に移籍後一度も二桁勝利をあげることができず、実質トレードと言われてしまっています。

一岡竜司投手の成績 ※オールスター出場(2014年)

球団 登板 勝利 ホールド 防御率
2012 巨人 4 0 0 3.60
2013 9 0 0 5.23
2014 広島 31 2 16 0.58
2015 38 2 7 4.14
2016 27 1 5 1.82
2017 59 6 19 1.85
2018 59 5 18 2.88
2019 33 0 16 2.90
2020 19 0 2 6.23

 

大竹寛投手の成績 ※オールスター出場(2012年、2013年)

球団 登板 勝利 敗戦 防御率
2012 広島 24 11 5 2.36
2013 25 10 10 3.37
2014 巨人 22 9 6 3.98
2015 11 3 4 3.21
2016 17 6 6 3.55
2017 13 4 4 5.09
2018 2 1 1 6.00
2019 32 4 0 2.77
2020 29 1 2 2.59

一岡竜司以外にも人的補償として移籍して活躍した選手は、

  • 福地寿樹(西武→ヤクルト):1番打者として定着、2度の盗塁王を獲得
  • 赤松真人(阪神→広島):1番打者として定着、メジャー級のスーパーキャッチを披露

のような選手がいますね。

ただしこの二人はそれぞれのFA選手である石井一久と新井貴浩も移籍先球団で活躍しているため「両球団が得をした」ということになりますね。

とはいいつつ上記のように人的補償選手がFA選手よりも活躍することはかなりまれなケースです。

まとめ

本記事では人的補償とプロテクトについてまとめました。

まとめ
  • 人的補償:FA権を行使して移籍した選手の代わりに移籍先の球団が放出する選手のこと
  • プロテクト:人的補償によって主力選手が流出しないように防御する制度のこと
  • ランクAとランクBの選手がFA移籍する場合は獲得球団は人的補償選手を放出するリスクがある
  • 人的補償選手に移籍を拒否する権利はない
  • FA選手よりも人的補償選手の方が活躍した有名な例は一岡竜司

以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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