こんにちは。
今回はトリプルプレーに関して解説記事をまとめてみました。
ぜひ最後まで読んでみてください。
- トリプルプレーってどういう意味?
- トリプルプレーの種類と実例を解説
- トリプルプレーの発生確率を計算してみた
トリプルプレーとは?
トリプルプレーとは「一連のワンプレーで3つのアウトをとること」です。
「三重殺(さんじゅうさつ)」とも言います。
トリプルプレーが起こったらニュースになるくらい珍しいプレーですね。
ダブルプレーの練習は必ずしますが、トリプルプレーの練習をするチームは滅多にいません。
トリプルプレーのシチュエーション
トリプルプレーのシチュエーションにはおおむね以下の5種類が考えられます。
- フォースプレーによる三重殺
- 飛球を起点にした三重殺
- 三振を起点にした三重殺
- タッチプレーによる三重殺
- 無捕殺三重殺
ひとつずつ解説していきます!
フォースプレーによる三重殺
数あるトリプルプレーの中で最も多いケースです。
❶無死一、二塁の状況でサードゴロ
❷サードが三塁を踏んでワンナウト
❸サードがセカンドに送球しツーアウト
❹セカンドがファーストに送球してスリーアウト
みなさんもこのトリプルプレーを一番想像するのではないでしょうか。
フォースプレーによる三重殺を完成させるには、打球速度が早い・バッターランナーが鈍足・内野守備陣が強肩などの要素が必要になってきます。
フライアウトを起点にした三重殺
次はフライアウト、特に外野フライを起点にしたトリプルプレーです。
このトリプルプレーもよく起こるケースですね。
❶無死一、二塁の状況でレフトへの大飛球が飛びランナーが二人とも進塁を試みる
❷ライトがファインプレーの捕球でワンナウト
❸ライトがセカンドに送球してツーアウト
❹セカンドがファーストに送球してスリーアウト
このケースは外野手が関わることができるトリプルプレーです。
ノーアウトでランナーが二人いる状況でヒット性の打球が外野に飛んで「得点が入った!」と思ったらあっという間にスリーアウト、なんてことになったら激しく落胆しますね。
三振を起点にした三重殺
次は三振を起点にしたトリプルプレーです。
❶無死一、三塁で一塁ランナーが盗塁するもバッターが三振(一死目)
❷キャッチャーがセカンドに送球し盗塁した一塁ランナーがアウト(二死目)
❸セカンドに送球している間に三塁ランナーが本塁突入を試みる
❹セカンドが本塁に送球して三塁ランナーがアウト(三死目)
三振によって既にワンナウトが取れた状態で発生するトリプルプレーです。
ランナーの判断ミスが命取りになるケースですね。
挟殺プレーによる三重殺
挟殺プレーによって3つのアウトをとるトリプルプレーです。
❶無死二、三塁の状況でサードゴロが飛び、三塁ランナーが三本間に挟まれてワンナウト
❷二塁ランナーが二、三塁間に飛び出してランダウンプレーの末ツーアウト
❸バッターランナーが一、二塁間に飛び出してランダウンプレーの末スリーアウト
挟殺プレーによって3つのアウト全て取られてしまう例です。
これは完全にランナーのボーンヘッド、判断ミスですね。
無補殺三重殺
最後に全て刺殺で3つのアウトをとるトリプルプレーです。
ちなみに刺殺と補殺の違いは以下の通りです。
- 刺殺:直接的にアウトをとること(セカンドゴロの場合は一塁手に刺殺が記録される)
- 補殺:間接的にアウトをとること(セカンドゴロの場合は二塁手に補殺が記録される)
補殺が発生せず一人の選手が3つのアウトを全て刺殺でとります。
❶無死一、二塁の状況でヒットエンドランをするも二塁ベース付近へのセカンドライナー(一死目)
❷セカンドがそのまま二塁ベースを踏んで二塁ランナーがアウト(二死目)
❸二塁ベース付近まで来ていた一塁ランナーをセカンドがタッチしてアウト(三死目)
【図解】2010年以降にNPBで起こったトリプルプレーを解説
2010年以降に起こったトリプルプレーは全8回です。
- 【2010年10月2日】巨人対横浜(東京ドーム)
- 【2012年7月1日】西武対日本ハム(西武ドーム)
- 【2012年8月17日】西武対楽天(西武ドーム)
- 【2014年4月22日】日本ハム対SB(東京ドーム)
- 【2018年8月28日】西武対楽天(敷島公園野球場)
- 【2021年8月14日】西武対楽天(西武ドーム)
- 【2022年4月10日】西武対SB(西武ドーム)
- 【2022年4月27日】阪神対中日(甲子園)
それぞれ詳細に見ていきましょう!
【2010年10月2日】巨人対横浜(東京ドーム)
打者:内川聖一、三塁手:脇谷亮太
トリプルプレーの中で最も起こりやすいフォースプレーによるトリプルプレーでした。
- 打者走者の内川がそこまで足が速くない
- 打球速度が速い
- 打球が三塁ベース付近に飛んだ
という要素が組み合わさって上記のトリプルプレーが完成しました。
【2012年7月1日】西武対日本ハム(西武ドーム)
打者:陽岱鋼、三塁手:ヘルマン
これもフォースプレーによるトリプルプレーですね。
これも2010年の巨人対横浜の時と同様、サードゴロから二塁、一塁と渡ってトリプルプレーになりました。
しかし陽岱鋼は俊足の打者なのですがよくトリプルプレーを成功できましたね。
【2012年8月17日】西武対楽天(西武ドーム)
打者:フェルナンデス、右翼手:熊代聖人
次はフライアウトを起点にしたトリプルプレーです。
無死一、二塁でライトへの大飛球が飛びましたがライトのファインプレーによりワンナウトをとり、その後二塁、一塁とボールが渡ってスリーアウトです。
ランナーが完全に右中間を抜けたと思い進塁してしまったのが仇となりましたね。
【2014年4月22日】日本ハム対SB(東京ドーム)
打者:中田翔、中堅手:柳田悠岐
❶無死一、三塁の状況でセンターフライでワンナウト
❷タッチアップした三塁ランナーを本塁でアウトにしてツーアウト
❸二塁へ進塁を試みた一塁ランナーを二塁でアウトにしてスリーアウト
フライアウトを起点にしたトリプルプレーでした。
センターフライタッチアップ→本塁タッチアウトまではありがちですが、一塁ランナーも二塁へ走ってしまったのでトリプルプレーになってしまいましたね。
一塁ランナーをしっかり見ていたキャッチャーの冷静なファインプレーでした。
【2018年8月28日】西武対楽天(敷島公園野球場)
打者:今江敏晃、三塁手:中村剛也
フォースアウトによるトリプルプレーですね。
無死一、二塁からサードへの強い打球が飛び、三塁を踏んだ後に二塁、一塁と渡ってスリーアウトです。
サード中村剛也の機敏な動きが生んだトリプルプレーでした。
【2021年8月14日】西武対楽天(西武ドーム)
打者:浅村栄斗、右翼手:愛斗
フライアウトを起点にしたトリプルプレーです。
❶無死一、二塁からライト戦最深部にフライが上がりますがライトのファインプレーでワンナウト
❷ライトからショートに送球してツーアウト
❸ショートからファーストに送球してスリーアウト
ランナーが完全に抜けたと思ってスタートを切ってしまっていました。
二人のランナーはそれぞれ本塁と三塁付近まで来てしまっていたので、楽々とトリプルプレーを完成させていましたね。
【2022年4月10日】西武対SB(西武ドーム)
打者:甲斐拓也、三塁手:山田遥楓
西武が2年連続でトリプルプレーを完成させました!
無死一、二塁、打者甲斐拓也の場面で三塁への痛烈なゴロを山田が好捕。
素早くベースを踏んだ後、二塁の外崎、一塁の呉念庭へ転送してトリプルプレーが成功しました。
【2022年4月27日】阪神対中日(甲子園)
打者:高山俊、一塁手:ビシエド
ファーストライナーの後そのまま一塁ベースを踏みツーアウト、二塁にボールを送ってスリーアウトでトリプルプレーが完成しました。
阪神がトリプルプレーを食らうのは1999年以来23年ぶりの出来事でした。
トリプルプレーの発生確率は?
2010-2022年までに発生したトリプルプレーは全8回でした。
- 2010-2014年:144試合
- 2015-2019年:143試合
- 2020年:120試合(コロナ感染拡大防止のため)
- 2021-2022年:143試合
上記の試合数を元に2010年から2022年までの13年間のプロ野球全試合数を割り出すと
11046試合(1チームあたり1841試合)
になります。
この試合数の中トリプルプレーは全部で8回しか起こらなかったので1試合あたりのトリプルプレーが発生する確率は
1試合あたりのトリプルプレー発生確率:約0.072%
です。(2010年以降のデータを元に算出)
ノーヒットノーランやサイクルヒットの発生確率でさえも0.1%を超えてくるので、トリプルプレーの方が珍しいんですね。
まとめ
今回はトリプルプレーに関してまとめました。
- トリプルプレーとは「一連のワンプレーで3つのアウトをとること」
- 2010年以降のNPBではトリプルプレーは合計8回発生している
- 1試合あたりの発生確率は約0.072%
トリプルプレーは狙ってできるプレーではないですしとても珍しいので生観戦で見れたら感激しますね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!