高校野球といえば、春のセンバツ(選抜高校野球)と夏の甲子園(全国高等学校野球選手権大会)が有名ですが、そのあとにもうひとつ大きな大会があります。
それが国民スポーツ大会(国スポ)高校野球競技です。
2024年からは、長年親しまれた「国民体育大会(国体)」の名称が改まり、「国民スポーツ大会(国スポ)」に変更されました。
国スポ高校野球とは?
国スポは日本最大級の総合スポーツ大会で、陸上や水泳、サッカーなどと並び高校野球も一競技として開催されます。
高校野球の部は、秋に行われるお祭り的大会としての性格が強く、甲子園のような「負けたら終わり」の緊張感よりも、選手の交流や次のシーズンに向けた経験が重視されます。
国スポ出場校の決め方
国スポ高校野球に出場できるのは、夏の甲子園で好成績を残した学校が中心です。
- 夏の甲子園ベスト4枠
準決勝進出(ベスト4)校が有力候補になります。 - 開催地枠
開催地の都道府県から1校が出場できる特別枠があります。 - 最終協議枠
成績や話題性、地域バランスなどを加味して決まります。
2023年からの変更点
2023年大会から、高校野球の出場校数が従来の12校から8校に減少しました。
これは選手の負担軽減や試合数の適正化を目的とした変更です。
2024年の出場校の決め方
2024年の国スポ出場校と「おそらくこの枠で選出されたであろう」の出場枠について紹介します。
✔︎2024年国スポ硬式高校野球の部出場校
高校名 | 夏の甲子園 | 地方 | 枠 |
---|---|---|---|
有田工業(佐賀) | 1回戦敗退 | 九州 | 開催地枠 |
京都国際(京都) | 優勝 | 近畿 | ベスト4枠 |
関東第一(東京) | 準優勝 | 関東 | ベスト4枠 |
青森山田(青森) | ベスト4 | 東北 | ベスト4枠 |
神村学園(鹿児島) | ベスト4 | 九州 | ベスト4枠 |
大社(島根) | ベスト8 | 中国 | 最終協議枠 |
明徳義塾(高知) | ベスト16 | 四国 | 最終協議枠 |
小松大谷(石川) | ベスト16 | 北信越 | 最終協議枠 |
東海大相模(神奈川) | ベスト8 | 関東 | (補欠枠) |
智辯学園(奈良) | ベスト8 | 近畿 | (補欠枠) |
※補欠校は本来の出場校が辞退した場合、代わりに出場する資格を持つ高校です
まず出場校の決定順序として、
- 開催枠である有田工業(佐賀・九州)
- 夏の甲子園ベスト4以上である京都国際(近畿)、関東第一(関東)、青森山田(東北)、神村学園(九州)
の5校が決定します。
そして全8枠のうち残り3枠をベスト8以下のチームから選出しますが、既に出場が確定した5校の属する地域以外(北海道、北信越、東海、中国、四国)から成績を考慮して3校が選出されたと予想します。
- 北海道地方勢最高成績:初戦敗退の白樺学園(北北海道)、札幌日大(南北海道)
- 北信越地方勢最高成績:ベスト16の小松大谷(石川)
- 東海地方勢最高成績:ベスト32の中京大中京(愛知)、掛川西(静岡)、菰野(三重)
- 中国地方勢最高成績:ベスト8の大社(島根)
- 四国地方勢最高成績:ベスト16の明徳義塾(高知)
地域別最高成績は上記の通りなので、順当に未確定の地方の中でベスト8、ベスト16の成績を残した大社(中国)、小松大谷(北信越)、明徳義塾(四国)が選ばれたと予想しています。
出場した全チームが初戦敗退してしまった北海道地方と最高成績がベスト32(3回戦敗退)だった東海地方からは国スポ出場校がゼロ校でした。
近年の優勝校
直近の国スポ(旧国体)優勝校は下記の通りです。
年 | 優勝校 | 開催地 |
---|---|---|
2024 | 明徳義塾(高知) | 佐賀 |
2023 | 仙台育英(宮城) 土浦日大(茨城) |
鹿児島 |
2022 | 大阪桐蔭(大阪) | 栃木 |
2021 | (中止) | 三重 |
2020 | (中止) | 鹿児島 |
2019 | 関東一(東京) | 茨城 |
2018 | 大阪桐蔭(大阪) 金足農(秋田) 浦和学院(埼玉) 近江(滋賀) |
福井 |
※2023年は雨天による大会打ち切りにつき2チームが優勝
※2020・2021年はコロナ禍のため中止
※2018年は雨天による大会打ち切りにつき4チームが優勝
まとめ
国スポ高校野球は、夏の甲子園を戦い抜いた選手たちが再び集う特別な大会です。
2023年から出場校が8校に減り、2024年からは名称が「国体」から「国スポ」へと変更されました。
勝敗よりも交流と経験を重視するため、普段の甲子園とは違った戦い方やメンバー構成が見られるのも魅力です。