野球場のホームベースからフェンスまでの距離はすべての球場で同じではなく、各球場で違いがあります。
本記事ではプロ野球12球団の本拠地球場の距離を比較するとともに各球場の本塁打パークファクターにも触れ、ホームランと各フェンス距離の相関係数を調べてみました。
✔︎本記事の内容
- 12球団球場のホームベースからの各距離比較
 - 12球団球場の本塁打パークファクター比較
 - ホームベースからの各距離と本塁打パークファクターの相関係数を調べてみた
 
12球団球場のホームベースからの各距離比較
12球団の本拠地球場のホームベースからの各距離(左翼・左中間・中堅・右中間・右翼)を一覧でまとめました。
| 球場名 | 左翼 | 左中間 | 中堅 | 右中間 | 右翼 | 
|---|---|---|---|---|---|
| エスコンフィールド | 97.0 | 114.0 | 122.0 | 110.0 | 99.0 | 
| 宮城球場 | 100.1 | 116.0 | 122.0 | 116.0 | 100.1 | 
| 西武ドーム | 100.0 | 116.0 | 122.0 | 116.0 | 100.0 | 
| 東京ドーム | 100.0 | 110.0 | 122.0 | 110.0 | 100.0 | 
| 明治神宮野球場 | 97.5 | 112.3 | 120.0 | 112.2 | 97.5 | 
| 千葉マリンスタジアム | 99.5 | 112.3 | 122.0 | 112.3 | 99.5 | 
| 横浜スタジアム | 94.2 | 111.4 | 117.7 | 111.4 | 94.2 | 
| ナゴヤドーム | 100.0 | 116.0 | 122.0 | 116.0 | 100.0 | 
| 大阪ドーム | 100.0 | 116.0 | 122.0 | 116.0 | 100.0 | 
| 阪神甲子園球場 | 95.0 | 118.0 | 118.0 | 118.0 | 95.0 | 
| MAZDAスタジアム | 101.0 | 116.0 | 122.0 | 116.0 | 100.0 | 
| 福岡ドーム | 100.0 | 110.0 | 122.0 | 110.0 | 100.0 | 
野球場は全球場同じ距離にしなければならないという規定はなく、それぞれの球場が全然違う距離なので特性が異なります。
12球団球場の本塁打パークファクター比較
本塁打パークファクターとはその球場のホームランの出やすさを示す指標です。
1よりも大きければ他の球場よりも本塁打が出やすい、1よりも小さければ本塁打が出にくい球場と言えます。
12球団球場の2022年本塁打パークファクター(PF)は以下のとおりです。
| 球場名 | 本塁打PF(2022年) | 
|---|---|
| エスコンフィールド | – | 
| 宮城球場 | 1.04 | 
| 西武ドーム | 0.98 | 
| 東京ドーム | 1.16 | 
| 明治神宮野球場 | 1.40 | 
| 千葉マリンスタジアム | 0.98 | 
| 横浜スタジアム | 0.89 | 
| ナゴヤドーム | 0.76 | 
| 大阪ドーム | 0.88 | 
| 阪神甲子園球場 | 0.66 | 
| MAZDAスタジアム | 0.94 | 
| 福岡ドーム | 1.31 | 
日本ハムの本拠地であるエスコンフィールドHOKKAIDOは2023年から運営が開始された球場なのでそれ以外の11球団球場のデータとなります。
明治神宮野球場と福岡ドームの2球場がホームランが出やすい球場である一方、阪神甲子園球場とナゴヤドームはホームランが出にくい球場であることがデータからわかります。
ホームベースからの各距離と本塁打パークファクターの相関係数を調べてみた
ホームベースからの各距離(左翼・左中間・中堅・右中間・右翼)と本塁打パークファクターの相関係数を調べてみました。
相関係数は-1から1の間の数字で表され、
- 数字が1に近づくほど強い正の相関がある
 - 数字が0に近づくほど相関関係がない
 - 数字が-1に近づくほど強い負の相関がある
 
ということがわかります。
2022年の各球場本塁打パークファクターと各フェンス距離の相関係数を以下の表のとおりまとめてみました。
✔︎ホームベースからの各距離と本塁打パークファクターの相関係数
| 本塁打パークファクターとの相関係数 | |
|---|---|
| 左翼 | 0.258 | 
| 左中間 | -0.702 | 
| 中堅 | 0.275 | 
| 右中間 | -0.707 | 
| 右翼 | 0.279 | 
左翼・中堅・右翼の相関係数は0.25-0.28、左中間・右中間の相関係数は約-0.70でした。
このことからわかることは左翼・中堅・右翼距離は本塁打の出やすさとの相関は薄い一方、左中間・右中間距離は本塁打の出やすさと強い負の相関があるということです。
つまりホームランの出やすさは左翼・中堅・右翼距離よりも左中間・右中間距離に大きく影響され、左中間・右中間距離が長いほどホームランが出にくくなるということです。
特にそれが顕著に表れているのが阪神甲子園球場ですね。
阪神甲子園球場は特殊な球場
阪神甲子園球場の2022年本塁打パークファクターは0.66で12球団中最も低い数値であることから最もホームランが出にくい球場でした。
甲子園球場と他の11球場を含めた12球団の距離平均を比べてみましょう。
✔︎甲子園球場と12球場平均の比較
| 甲子園球場 | 12球場平均 | ||
|---|---|---|---|
| 左翼 | 95.0 | < | 98.7 | 
| 左中間 | 118.0 | > | 114.0 | 
| 中堅 | 118.0 | < | 121.1 | 
| 右中間 | 118.0 | > | 113.7 | 
| 右翼 | 95.0 | < | 98.8 | 
実は甲子園球場は12球場平均よりも左翼・中堅・右翼距離が短い球場です。
これだけ聞くと「ホームランが出やすいのでは?」と思ってしまうかもしれません。
しかし甲子園球場は左中間・右中間距離は12球場平均よりも長く、左右中間が深くなっているのでこれがホームランの出にくさにつながっていました。
両翼・中堅距離だけでホームランの出やすさ・出にくさを判断してしまわないように注意する必要がありますね。
以上、プロ野球12球団の本拠地の広さに関するまとめ・解説でした。
