こんにちは。
ポストシーズンのルールに限った話ではありませんがメジャーリーグのルールは頻繁に変更されるので我々も情報をキャッチするのが大変ですよね。
本記事では新しいポストシーズンの仕組みについて分かりやすく解説していきます。
✔︎本記事の内容
- 2022年からのポストシーズンの新しい仕組みについて図解
- 2021年の順位表を2022年からの新ルールに当てはめてみた
- ポストシーズン出場チーム増加のメリット&デメリット
ぜひ最後まで読んでみてください。
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目次
2022年のMLBポストシーズンの新しい仕組み
ポストシーズン出場チーム数
ポストシーズン出場チームが従来よりも増加します。
- 2021年まで:各リーグ5チーム、合計10チーム
- 2022年から:各リーグ6チーム、合計12チーム
ポストシーズン出場可能チームの内訳は次のとおりです。
- 地区優勝チームの中で勝率1位(第1シード)
- 地区優勝チームの中で勝率2位(第2シード)
- 地区優勝チームの中で勝率3位(第3シード)
- 地区優勝チーム以外で勝率1位(第4シード)
- 地区優勝チーム以外で勝率2位(第5シード)
- 地区優勝チーム以外で勝率3位(第6シード)
両リーグで上記の6チームが対象となり、合計12チームがポストシーズンに出場します。
「地区優勝チーム以外で勝率3位のチーム」が新たに第6シードとしてポストシーズンに出場できるようになったんですね。
ポストシーズンの組み合わせ
ポストシーズンの出場チームが増えることで組み合わせは次のようになります。
- WCS(Wild Card Series, ワイルドカードシリーズ)
- DS(Division Series, 地区シリーズ)
- LCS(League Championship Series, リーグ優勝決定シリーズ)
- WS(World Series, ワールドシリーズ)
- 第1シード…地区優勝チームの中で勝率1位
- 第2シード…地区優勝チームの中で勝率2位
- 第3シード…地区優勝チームの中で勝率3位
- 第4シード…地区優勝チーム以外で勝率1位
- 第5シード…地区優勝チーム以外で勝率2位
- 第6シード…地区優勝チーム以外で勝率3位
WCS(Wild Card Series, ワイルドカードシリーズ)
まず第1ラウンドとして第3, 4, 5, 6シードでワイルドカードシリーズを戦います。
- 方式:3試合2勝先取制
- 開催地:全試合を上位シードの本拠地で開催する
DS(Division Series, 地区シリーズ)
次に第2ラウンドとしてWCSで勝ち上がったチームと第1、第2シードが対戦します。
- 方式:5試合3勝先取制
- 開催地:1, 2, 5戦を上位シードの本拠地、3, 4戦を下位シードの本拠地で開催する
LCS(League Championship Series, リーグ優勝決定シリーズ)
次にリーグ優勝チームを決定するためにDS の勝者同士がLCSを戦います。
- 方式:7試合4勝先取制
- 開催地:1, 2, 6, 7戦を上位シードの本拠地、3, 4, 5戦を下位シードの本拠地で開催する
WS(World Series, ワールドシリーズ)
そしてリーグ優勝決定シリーズを勝ち上がったチーム同士で対戦し、MLBにおけるその年の最強チームを決定します。
- 方式:7試合4勝先取制
- 開催地:勝率の高いチームの本拠地で1, 2, 6, 7戦を開催し、3, 4, 5戦は勝率の低い方の本拠地で開催する
2021年の順位に当てはめてみる
2022年の新しいポストシーズンの仕組みを2021年の順位に当てはめてみました。
✔︎アメリカンリーグ
シード・チーム名 | 勝 | 敗 | 勝率 | 順位 |
---|---|---|---|---|
❶レイズ | 100 | 62 | .617 | 東地区優勝 |
❷アストロズ | 95 | 67 | .584 | 西地区優勝 |
❸ホワイトソックス | 93 | 69 | .574 | 中地区優勝 |
❹レッドソックス | 92 | 70 | .568 | 東地区2位 |
❺ヤンキース | 92 | 70 | .568 | 東地区3位 |
❻ブルージェイズ | 91 | 71 | .562 | 東地区4位 |
※ヤンキースとレッドソックスは同勝率だが直接対決の結果によりレッドソックスが上位シード権を得る(10勝対9勝)
新しいルールだと優勝チーム以外の勝率3位・ブルージェイズ(東地区4位)が第6シードとしてポストシーズンに出場します。
そしてアメリカンリーグの第4, 5, 6シードは全て東地区からの出場となりました。
✔︎ナショナルリーグ
シード・チーム名 | 勝 | 敗 | 勝率 | 順位 |
---|---|---|---|---|
❶ジャイアンツ | 107 | 55 | .660 | 西地区優勝 |
❷ブルワーズ | 95 | 67 | .586 | 中地区優勝 |
❸ブレーブス | 88 | 73 | .547 | 東地区優勝 |
❹ドジャース | 106 | 56 | .654 | 西地区2位 |
❺カージナルス | 90 | 72 | .556 | 中地区2位 |
❻レッズ | 83 | 79 | .512 | 中地区3位 |
新しいルールにより優勝チーム以外の勝率3位・レッズ(中地区3位)が第6シードとして出場します。
シード権は地区優勝チームに優先して付与されるので、ドジャースの方がブルワーズ(中地区優勝)とブレーブス(東地区優勝)よりも勝率が高いですがドジャースは第4シードに回ります。
ポストシーズン進出チーム増のメリット
ポストシーズンに出場できるチームが増えるメリットは次の2点です。
- チームの収益が増える
- 消化試合が減る
チームの収益が増える
ポストシーズンの試合数が増えるのでそれだけ集客や放映による収益が増えます。
- 旧ルール:26試合〜43試合
- 新ルール:32試合〜53試合
第6シードが出場することによって最低でも6試合の増加が見込めます。
消化試合が減る
旧ルールでは地区優勝チームは無条件でDS(Division Series, 地区シリーズ)に出場することができました。
しかし2022年からの新ルールでは第3シード(地区優勝チームの中で勝率3位)はワイルドカードシリーズを戦わないといけません。
地区優勝したからといって決して手を抜くことはできず第1, 2シードになるために勝ち続けないといけません。
ポストシーズン出場チーム増のデメリット
- レギュラーシーズンの価値が薄れる
- 勝率5割以下のチームが世界一になる可能性がある
レギュラーシーズンの価値が薄れる
新ルールでは全30球団中の上位12チームがポストシーズンに出場できるようになります。
レギュラーシーズンで162試合も戦って優勝したとしてもポストシーズン(言い方を変えれば敗者復活戦)で負ける可能性も否定できないです。
勝率5割以下のチームが世界一になる可能性がある
さらに出場枠が12チームあることにより勝率5割以下のチームがポストシーズンに出場する可能性があります。
- ア・リーグ:ブルージェイズ(勝率.562)
- ナ・リーグ:レッズ(勝率.512)
2021年の順位表の場合は問題なかったですがそれでもレッズは勝率.512なので結構ギリギリで貯金を残した状態です。
まとめ
本記事では2022年から新しく導入されるポストシーズンの仕組みについて解説しました。
- ポストシーズン出場チーム数増加:各リーグ6チーム、合計12チーム
- 新たにワイルドカードシリーズ(3試合2勝先取)が開催される
- 出場チーム増のメリット:「チームの収益が増える」「消化試合が減る」
- 出場チーム増のデメリット:「レギュラーシーズンの価値が薄れる」「勝率5割以下のチームが世界一になる可能性がある」
以上です。