全国の球児たちが憧れる舞台・甲子園。
例年47都道府県から代表校が集う中で、東京都からは「東東京」「西東京」の2校が出場します。
全国有数の激戦区である東京を二分して代表を決める方式は、1974年の夏から導入されました。
その結果、甲子園本大会で“東東京vs西東京”という、同じ都の代表同士が激突する場面が生まれています。
普段は都大会で戦っているはずのライバルが、全国の大舞台で再び顔を合わせる――。
ここでは、春夏甲子園で実現した歴史的な東京代表対決を振り返ります。
目次
東京代表対決一覧
春のセンバツ
年 | 大会 | ラウンド | 東京代表 | スコア | 東京代表 |
---|---|---|---|---|---|
1972 | 第44回 | 決勝 | 日大桜丘 | 5-0 | 日大三 |
※日大桜丘と日大三は両校とも西東京ブロック所属
夏の甲子園
年 | 大会 | ラウンド | 東東京代表 | スコア | 西東京代表 |
---|---|---|---|---|---|
1977 | 第59回 | 2回戦 | 早稲田実 | 4-1 | 桜美林 |
1995 | 第77回 | 準々決勝 | 帝京 | 8-3 | 創価 |
2010 | 第92回 | 3回戦 | 関東一 | 10-6 | 早稲田実 |
2025 | 第107回 | 準々決勝 | 関東一 | 日大三 |
※1977年当時、早稲田実業は東東京ブロックに属していました
各試合のエピソード
1972年春(第44回大会・決勝)
この春は同じ東京の日大桜丘と日大三がともに選抜され、決勝戦で対戦するという珍しい展開となりました。
いわば“日大系列対決”とも呼ばれた一戦は、日大桜丘が5-0で快勝。
東京勢同士が決勝の舞台で全国の頂点を争った唯一のケースであり、今でも語り草になっています。
1977年夏(第59回大会・2回戦)
東京2代表制導入後、初めての「東東京vs西東京」となったのがこの試合でした。
早稲田実(東東京)が桜美林(西東京)を4-1で下し、東東京に軍配。
名門・早実らしい堅実な戦いぶりで勝ち切りました。
1995年夏(第77回大会・準々決勝)
強力打線で全国的に注目を集めていた帝京(東東京)が創価(西東京)と激突。
序盤から試合を優位に進め、8-3で快勝しました。
帝京の勢いを象徴する一戦であり、東東京の存在感を全国に示しました。
2010年夏(第92回大会・3回戦)
関東一(東東京)と早稲田実(西東京)が激しい打ち合いを展開。
乱打戦は10-6で関東一が勝利し、ベスト8へ進出しました。
東京のレベルの高さを示す一戦として、記憶に残っています。
東東京 vs 西東京の勝敗
ここまでの夏の甲子園での東西対決通算成績は、
- 東東京:3勝(1977早稲田実、1995帝京、2010関東一)
- 西東京:0勝
となっており、現状では 東東京がリード しています。
全国大会で同じ都の代表同士が戦うのは極めて珍しく、東京の高校野球が持つ層の厚さを示す結果といえるでしょう。
東京代表の存在感
東京は参加校数が全国最多クラスで、代表争いは熾烈を極めます。
二つの代表枠を持つことは単なる“特権”ではなく、厳しい戦いの末に実力で勝ち取られたものです。
そんな中で甲子園本大会で“東京ダービー”が実現するのは特別であり、観客にとっては「都大会の延長戦」を全国の舞台で見られるような興奮があります。