こんにちは。
今回は野球の「アンダースロー」に関して解説していきます!
- アンダースローのメリットとデメリットを知りたい!
- 左投げのアンダースローがいない理由って何?
- アンダースローの最速記録を知りたいです
目次
アンダースローって何?
アンダースローとは下図のように、下手から投球する投法のことです。
下手投げという言い方もします。
ほとんどの投手がオーバースローという上から投げる投法のため、アンダースローの投手は珍しいですね。
アンダースローのメリットとは?
❶他の投法と比べてボールの軌道が大きく違う
主流の投法であるオーバースローは投手の身長以上の高さからボールが放たれます。
一方、アンダースローは地上数10cmの地面スレスレの高さからボールが飛んできます。
❷相手バッターがアンダースローに慣れていない
投手の主流の投げ方はオーバースローです。
バッターも当然ながらオーバースローとの対戦がほとんどになってきます。
なので単純にバッター側が全然アンダースローに慣れていないんですよね。
WBCなどの世界大会でも渡辺俊介投手や牧田投手はアンダースロー枠として代表選びで重宝されました。
❸対策が難しい
仮に1週間後の決勝戦、次の3人の投手が出てくるとしましょう。
「①150キロの豪速球投手」「②左のクロスファイヤ」「③右のアンダースロー」
どんな対策ができるでしょうか?
主に下のような対策ができるかと思います。
①150キロの豪速球投手…マウンドの手前から投げる、バッティングセンターで150キロに設定する
②左のクロスファイヤー…バッティングマシンをマウンドよりも1塁側に置いて投げさせる
③右のアンダースロー…このチームにアンダースローの方はいませんかー?
アンダースローだけ完全にお手上げですね。
アンダースローは対策を立てるにも方法があまりないんです。
アンダースローのデメリットとは?
❶クイックが難しい
アンダースローは一度体を沈ませてから投げるためクイック投法が難しいです。
しかし、渡辺俊介投手はフォームの無駄を最大まで削ぎ落としてクイックを早くしたと書籍で語っています。
オーバースローでもクイックが苦手な人はたくさんいるので、「オーバースローに比べたらアンダースローの方がクイックが大変」程度のデメリットだと考えていいでしょう。
❷左バッターはアンダースローを打ちやすい
右のアンダースローの場合、左バッターの方が有利になります。
投げる位置と球筋が見やすいからですね。
アンダースローの投手相手にジグザグ打線を組んできたり左バッターを多めにするといった対策を立ててきます。
❸教えられる指導者が少ない
アマチュアはおろかプロでもアンダースローの指導をできる指導者は少ないです。
なので基本的には独学で投げ方や変化球を学ぶことになります。
指導者に恵まれるかどうかもアンダースローとして大成する一つの要素かもしれません。
ちなみに剣道では二刀流が認められているのですが、指導者が少ないという理由で二刀流の使い手があまりいません。
2000年以降のアンダースロー投手は誰がいるの?
2000年以降のアンダースロー投手は下図の8人です。(2021年現在)
2000年代は渡辺俊介と会田有志の二人だけですが、2010年代に入ってから急激に増えましたね。
現在アンダースローとして活躍している人たちの年代を見ると、彼らも渡辺俊介に憧れてアンダースローになったのかもしれません。
英語でアンダースローってなんて言うの?
アンダースローは実は和製英語なので、英語だと呼び方が違います。
アンダースローのことは英語で「サブマリン(submarine)」と言います。
新聞記事だったり渡辺俊介の異名で聞いたことがある方も多いと思います。
それは投げる時にピッチャーの体が沈んだり、ボールが下から上に浮き上がってくる様が潜水艦(サブマリン)に似ていたからです。
おしゃれな名前の付け方で覚えやすいのでいいですね。
左投げのアンダースローがいないのはなぜ?
上でご紹介した2000年代以降のアンダースロー投手は実は全員右投げのアンダースローです。
日本プロ野球ではだいたい3人に1人は左腕投手なので、アンダースローだけ右投げに偏ってますね。
なぜアンダースローは右投げ投手ばかりなのか、理由は主に以下の2点あると考えています。
左腕投手は「左投げ」というだけで価値があるから
特にアマチュア界の話になりますが、左投げの選手はとりあえずピッチャーをさせてみようとなりやすいです。
それくらい「左投げ」というのは投手になる上で価値があります。
右打者に対して圧倒的に不利だから
左のアンダースローの場合、右打者にとって球筋が見やすくなります。
アマチュアでは右打者が多いので、わざわざ相手打者が打ちやすい投げ方にする必要はありません。
アンダースローの最速記録は何キロ?
アンダースローはオーバースローよりも球速が出にくい投法です。
それではアンダースローの最速記録は何キロなんでしょうか?
NPBとMLBそれぞれの最速記録は以下の2投手です。
NPB…146キロ(高橋礼)
MLB…150キロ(ブラッド・ジーグラー)
アンダースローで140キロ後半・150キロを投げるのは信じられませんね。
低い高さから浮き上がってくる軌道で150キロのボールが放たれたら打者もどう打てばいいか想像がつきません。
まとめ
今回は以下に関してお話ししました。
- アンダースローとは下手から投げる投手のこと
- アンダースローのメリットは❶他の投法と比べてボールの軌道が大きく違う、❷相手バッターがアンダースローに慣れていない、❸対策が難しい
- アンダースローのデメリットは❶クイックが難しい、❷左バッターはアンダースローを打ちやすい、❸教えられる指導者が少ない
- アンダースローのことを英語でサブマリンと呼ぶ
アンダースローは投げ方が特徴的なので見ていて興奮しますね。
WBCでもアンダースローの日本人投手が好投するケースが多いので、高橋礼投手や牧田投手らの今後の活躍に期待したいです。