メジャーリーグ(MLB)ではレギュラーシーズンが終了した後、その年のワールドチャンピオンを決めるためにトーナメント形式のポストシーズン(プレーオフ)が行われます。
本記事ではMLBのポストシーズンの仕組みについてトーナメント表の図とともに解説していきます。
✔︎本記事の内容
- MLBのポストシーズンの仕組みについて図解で解説
- ワイルドカードとはどういう意味?
- 現行のポストシーズン制度は2022年からスタート
目次
MLBのチーム一覧
最初に基礎知識からお話ししますが、メジャーリーグは2リーグ×3地区制で1地区5球団、全30球団でレギュラーシーズンを戦います。
アメリカンリーグ(American league, AL) |
||
東地区 | 中地区 | 西地区 |
ボルチモア・オリオールズ | シカゴ・ホワイトソックス | ヒューストン・アストロズ |
ボストン・レッドソックス | クリーブランド・ガーディアンズ | ロサンゼルス・エンゼルス |
ニューヨーク・ヤンキース | デトロイト・タイガース | オークランド・アスレチックス |
タンパベイ・レイズ | カンザスシティ・ロイヤルズ | シアトル・マリナーズ |
トロント・ブルージェイズ | ミネソタ・ツインズ | テキサス・レンジャーズ |
ナショナルリーグ(National league, NL) |
||
東地区 | 中地区 | 西地区 |
アトランタ・ブレーブス | シカゴ・カブス | アリゾナ・ダイヤモンドバックス |
マイアミ・マーリンズ | シンシナティ・レッズ | コロラド・ロッキーズ |
ニューヨーク・メッツ | ミルウォーキー・ブルワーズ | ロサンゼルス・ドジャース |
フィラデルフィア・フィリーズ | ピッツバーグ・パイレーツ | サンディエゴ・パドレス |
ワシントン・ナショナルズ | セントルイス・カージナルス | サンフランシスコ・ジャイアンツ |
30球団でレギュラーシーズンを戦い、成績上位のチームがトーナメント形式のポストシーズンに進みます。
そしてトーナメントを勝ち上がって決勝の舞台であるワールドシリーズ(優勝決定戦)を制覇したチームがその年のワールドチャンピオンになります。
本記事ではレギュラーシーズン終了後のトーナメント形式のポストシーズンについて解説していきます。
MLBのポストシーズンの仕組みについて図解で解説
メジャーリーグのポストシーズンは次のようなトーナメント表になっています。
※WCS(Wild Card Series, ワイルドカードシリーズ)、DS(Division Series, 地区シリーズ)、LCS(League Championship Series, リーグ優勝決定シリーズ)、WS(World Series, ワールドシリーズ)
ワイルドカードとはどういう意味?
ワイルドカードとは地区優勝チーム以外の中で勝率の高い上位3チームのことです。
レギュラーシーズンの成績によって各リーグの第1シード〜第6シードが決定しますが、その第4〜6シードのチームのことをワイルドカードと言います。
シード | 立ち位置 | 決まり方 |
---|---|---|
第1シード | 地区優勝 | 地区優勝チームの中で勝率1位 |
第2シード | 地区優勝 | 地区優勝チームの中で勝率2位 |
第3シード | 地区優勝 | 地区優勝チームの中で勝率3位 |
第4シード | ワイルドカード | 地区優勝チーム以外で勝率1位 |
第5シード | ワイルドカード | 地区優勝チーム以外で勝率2位 |
第6シード | ワイルドカード | 地区優勝チーム以外で勝率3位 |
東・中・西の各地区で優勝したチームは無条件に第1〜3シードとなり、地区優勝できなかったチームのうち勝率上位3チームまでがワイルドカードとして第4〜6シードに入ることができます。
例えば2022年ナ・リーグの場合は、シーズン成績をもとに次のように第1〜6シードが決定しました。
シード | チーム名 | 勝率 | シーズン成績 |
---|---|---|---|
第1シード | ドジャース | .685 | 西地区優勝 |
第2シード | ブレーブス | .623 | 東地区優勝 |
第3シード | カージナルス | .574 | 中地区優勝 |
第4シード | メッツ | .623 | 東地区2位 |
第5シード | パドレス | .549 | 西地区2位 |
第6シード | フィリーズ | .537 | 東地区3位 |
カージナルスよりもメッツの方がシーズン勝率が高いですが、あくまで勝率よりも地区優勝のほうがシード権が優先されるのでカージナルスが第3シード、メッツが第4シードとなっています。
ポストシーズン出場チーム数
ポストシーズンへ出場することができるチームは全30チーム中12チームです。
- 地区優勝の3チーム(両リーグ合わせて6チーム)
- 地区優勝チーム以外の12チームで勝率の高い上位3チーム(両リーグ合わせて6チーム)
WCS(Wild Card Series, ワイルドカードシリーズ)
まず第1ラウンドとして第3, 4, 5, 6シードでワイルドカードシリーズを戦います。
- 方式:3試合2勝先取制
- 開催地:全試合を上位シードの本拠地で開催する
DS(Division Series, 地区シリーズ)
次に第2ラウンドとしてWCSで勝ち上がったチームと第1、第2シードが対戦します。
- 方式:5試合3勝先取制
- 開催地:1, 2, 5戦を上位シードの本拠地、3, 4戦を下位シードの本拠地で開催する
LCS(League Championship Series, リーグ優勝決定シリーズ)
次にリーグ優勝チームを決定するためにDSの勝者同士がLCSを戦います。
- 方式:7試合4勝先取制
- 開催地:1, 2, 6, 7戦を上位シードの本拠地、3, 4, 5戦を下位シードの本拠地で開催する
WS(World Series, ワールドシリーズ)
そして最後にリーグ優勝決定シリーズを勝ち上がったチーム同士が対戦し、MLBにおけるその年の最強チームを決定します。
- 方式:7試合4勝先取制
- 開催地:勝率の高いチームの本拠地で1, 2, 6, 7戦を開催し、3, 4, 5戦は勝率の低い方の本拠地で開催する
現行のポストシーズン制度は2022年からスタート
現在のポストシーズンは実は2022年から採用された新ルールです。
メジャーリーグが3地区制になった1994年以降のポストシーズン出場球団数については次のとおりです。
✔︎ポストシーズン出場球団数の推移(3地区制になった1994年以降)
年 | ポストシーズン出場球団数 |
---|---|
1994年~2011年 | 8チーム(各リーグ4チームずつ) |
2012年~2021年 | 10チーム(各リーグ5チームずつ) |
2022年~ | 12チーム(各リーグ6チームずつ) |
当初のルールよりもポストシーズンに出場できるチームが徐々に増加しています。
2022年のポストシーズンルール変更で「地区優勝チーム以外で勝率3位のチーム」が新たに第6シードとして出場できるようになりました。
出場チームが増えるメリットとしては、
- ポストシーズンの試合数が増えるので収益も増える
- レギュラーシーズンの消化試合が少なくなる
といったことが挙げられますが、実はポストシーズン出場チーム数増によるデメリットも存在します。
気になる人は「【MLB】2022年からポストシーズンの仕組みが変更【出場チームが12チームに】」もぜひ読んでみてください。
以上、メジャーリーグのトーナメント形式のポストシーズンに関する解説でした。