本記事では野球における得点圏打率という打撃指標について解説していきます。
得点圏打率が高い選手は一般的にチャンスに強い打者と呼ばれますが本当にそうなのでしょうか?
✔︎本記事の内容
- 得点圏打率とはどういう意味?計算方法は?
- 歴代シーズン最高得点圏打率は誰の記録?
- 得点圏打率の数字自体に意味はないのか
ぜひ最後まで読んでみてください。
得点圏打率とはどういう意味?
得点圏打率とは、
ランナーが二塁か三塁にいた場合の打率
のことを意味しています。
得点圏打率が高ければ高いほどチャンスに強い打者ということになりますね。
特に3割以上の得点圏打率を残していると優秀と言われます。(打率も3割以上だと一流と言われます)
英語だとBA/RISP(Batting Average with Runners in Scoring Position)と呼びますが、日本では英語名は馴染みがないですね。
補足:得点圏とは?
得点圏とは二塁と三塁のことを指します。
二塁か三塁にランナーがいた場合にヒットを打ったら得点できる可能性が高いため得点圏という表現をしています。
具体的にはランナーが以下のベースにいる時を得点圏と言いますね。
- 二塁
- 三塁
- 一、二塁
- 一、三塁
- 二、三塁
- 満塁
得点圏打率の計算式
得点圏打率の計算方法は次の通りです。
(得点圏にランナーがいるときの)安打 ÷ 打数
例えば得点圏の打数が100あってそのうち30回安打を打ったら得点圏打率は.300となります。
歴代シーズン最高得点圏打率は誰の記録?
3割以上の得点圏打率を残せば優秀と言われますが歴代最高記録は誰の記録なのでしょうか?
実は得点圏打率はあまり公式的な記録として残されていないので参考程度に載せておきます。
プロ野球過去最高記録は1985年に落合博満選手が記録した得点圏打率.492と言われています。
✔︎1985年の落合選手の得点圏成績とシーズン成績
指標 | 得点圏 | シーズン |
---|---|---|
打率 | .492 | .367 |
安打/打数 | 60/122 | 169/460 |
本塁打 | 16 | 52 |
打点 | 98 | 146 |
シーズン打率は.367だったので得点圏打率のほうが.125も高いですね。
また得点圏の打席だけで100近くの打点を稼いでいます。
得点圏打率の数字自体に意味はない?
さきほど得点圏打率は公式記録としてきっちり残されていないというお話をしましたが、実は得点圏打率の記録自体にあまり意味がないんじゃ?という意見がちらほらあります。
というのも得点圏にランナーがいるからといってバッターの能力に劇的に変化があるわけではないからですね。
得点圏にランナーがいることによるメリットは次の通りです。
- ランナーがいるとヒットゾーンが広くなる(例:三塁走者がいたら内野が前進守備を敷く、二塁走者がいたらセカンドショートが二遊間に寄るなど)
- 投手にプレッシャーがかかる
ランナーが得点圏にいることによって相手守備陣に影響はありますがバッター本人に何か影響があるわけではありません。
心理的にバッターの「打ってやろう!」という気持ちは強くなりますが、それはピッチャーの「抑えてやる!」という気持ちも同じですからね。
得点圏打率まとめ
本記事では得点圏打率について紹介しました。
- 得点圏打率とはランナーが二塁か三塁にいた場合の打率のこと
- 計算方法は(得点圏にランナーがいるときの)安打 ÷ 打数
- 歴代最高得点圏打率は1985年に落合博満選手が記録した得点圏打率.492
- 打者の能力に劇的な変化がないので得点圏打率の数字に意味はないという意見も(賛否あり)
以上です。