本記事では「規定打席」という野球用語について解説していきます。
規定打席の到達はプロ野球の全ての野手にとって重要な目標なんですよね。
ぜひ最後まで読んでみてください。
- 規定打席とは何か?計算方法を解説!
- 実は規定打席にも例外措置がある?
- 規定打席に関わる意外な記録を紹介!
目次
規定打席とは打撃ランキングの対象となるために必要な打席数
規定打席とはリーグ戦において特定の打撃ランキングの対象となるために必要な打席数のことです。
ここでいう特定の打撃ランキングとは、打率・出塁率・長打率の3部門のことです。
ヒットを打つ確率(打率)・出塁する確率(出塁率)・塁打数の期待値(長打率)のランキングなので、打席数が少ない打者が有利にならないように一定数以上打席に立った選手だけが対象になります。
規定打席の計算方法
規定打席は次のような計算式によって算出されます。
試合数×3.1
※端数は四捨五入
例えば2022年の日本プロ野球の場合は次のような計算になりますね。
143試合×3.1=443.3
→規定打席は443打席
上記の計算により、原則として443回以上打席に立たないと打率、出塁率、長打率のランキングには載ることができません。
なお、シーズン中は所属チームの消費試合数に3.1をかけた打席数に到達していれば打撃ランキングに載ることができます。
規定打席の例外措置
打撃ランキングには実は以下のような例外措置があります。
規定打席に到達していない選手でも不足分を凡打として加算して1位の選手を上回るなら、規定打席未満でも首位打者・最高出塁率・最高長打率として認定する
例えば首位打者争いをしている次の2選手がいたとします。
選手A:443打席390打数130安打 打率.333
選手B:420打席360打数130安打 打率.361
※規定打席は443打席
例外措置のルールがない場合は選手Bは規定打席に到達していないので打撃ランキングの対象外になります。
しかし例外措置に則って選手Bが不足分の23打席全て凡退したとして計算すると、
選手B:443打席383打数130安打 打率.339
となって選手Aの打率を上回るので選手Bが首位打者のタイトルを獲得します。(認定首位打者)
そしてこの時に残る記録は不足打席分を加えなかった時の打率になります(上記の例では打率.361が公式記録になります)
規定打席に関する様々な記録
ここからは規定打席に関する様々な記録について紹介していきます。
スタメン9人全員が規定打席に到達
1991年 オリックス(土井監督)
日本プロ野球史上唯一、1991年のオリックスがスタメン選手全員規定打席に到達しました。
1番 二 福良 433
2番 遊 小川 571
3番 三 松永 568
4番 指 石嶺 553
5番 一 ブーマー 496
6番 右 藤井 468
7番 左 高橋智 458
8番 捕 中嶋 471
9番 中 本西 450
※一番右の数値が打席数、規定打席は403
これだけレギュラーを固定してしまうと当然他の選手の出場機会は激減してしまいますので、この9人以外で100回以上打席に立った選手はいませんでした。
規定打席到達者の中で歴代最低打率の選手
1950年 坂井豊司(広島)
この年の坂井氏は348打席320打数53安打で打率が.166でした。
1950-1970年代は1割打者がゴロゴロいたみたいですが、1982年に山倉和博氏が打率.196を記録して以降は打率1割台の打者は現れていませんね。
全試合出場しながら規定打席未到達の選手
2010年 金本知憲(阪神)
全144試合に出場しながら396回しか打席に立ちませんでした。(規定打席は446)
この年の金本氏は連続フルイニング出場の記録は途切れたものの連続試合出場記録は継続中でした。
規定打席未到達だがホームラン王を獲得した選手
2012年 バレンティン(ヤクルト)
この年の422打席しか出場していませんでしたが31本のホームランを打って本塁打王に輝きました。
規定打席の計算フォーム
計算フォームを設置しましたので規定打席を計算したい方はぜひ使ってみてください。
まとめ
- 規定打席とはリーグ戦において打撃ランキングの対象となるために必要な打席数のこと
- 規定打席の計算方法 →試合数×3.1
- 例外措置「規定打席に到達していない選手でも不足分を凡打として加算して1位の選手を上回るなら、規定打席未満でも首位打者・最高出塁率・最高長打率として認定する」
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!