大谷翔平といえば「二刀流」。
先発投手と打者の両立で前人未踏の記録を更新し続けていますが、ファンやメディアの間では「大谷翔平をクローザーとして起用するのはどうか?」という議論もしばしば起こります。
実際、大谷は過去にクローザーとしてマウンドに立った実績があり、そのインパクトは今なお語り継がれています。
本記事では、大谷翔平のクローザー実績を振り返りつつ、クローザー起用のメリットとデメリットを徹底解説します。
目次
大谷翔平のクローザー実績
2023年WBC決勝戦(日本 vs アメリカ)
野球ファンなら誰もが覚えているであろう名シーン。
9回に抑えとして登板した大谷は、最後にエンゼルスのチームメイトでありスーパースターのマイク・トラウトを空振り三振に仕留め、日本を世界一へと導きました。
短期決戦の「ラスボス」として登板し、最高の形で役割を果たした瞬間です。
2016年パリーグCSファイナルステージ第5戦(日本ハム vs ソフトバンク)
日本ハム時代、パ・リーグCS優勝を決める大一番で、栗山英樹監督が指名打者を解除して大谷を抑えとして起用。
165キロの速球と多彩な変化球で最後を締め、チームの日本シリーズ進出を確定させました。
このように、大谷翔平は国際大会の決勝戦やシーズンの短期決戦といった「究極の大舞台」でクローザーを務めており、その勝負強さは証明済みです。
大谷翔平をクローザー起用するメリット
1. 大舞台での強さ
短期決戦やシーズン終盤の重圧がかかる場面で、むしろ力を発揮するのが大谷翔平。
WBC決勝での投球は、彼の「勝負強さ」と「精神的な強さ」を世界に示しました。
クローザー起用ではその資質を最大限に活かせます。
2. 圧倒的な球威
100マイル(160km/h超)の速球に、スイーパー・スプリットを交える投球は打者にとって脅威そのもの。
先発では球数管理を意識する必要がありますが、クローザーなら1イニング全力投球が可能。
大谷の持つ「瞬間最大風速」を存分に発揮できます。
3. 精神的インパクト
「9回に大谷翔平が出てくる」というだけで相手チームは序盤からリードを奪わなければならない重圧を感じます。
観客にとっても、終盤にスター選手が登場することで球場のボルテージは最高潮に達します。
エンターテインメントとしても強力な武器になります。
大谷翔平をクローザー起用するデメリット
1. 起用法が煩雑になる
二刀流でフル出場する大谷を「9回限定」で投げさせるのは、チームマネジメント的に非常に難しい問題を抱えます。
登板日をどう調整するのか、シーズンを通しての負担はどう管理するのか、首脳陣の采配には常に悩みが付きまといます。
2. 指名打者(DH)解除の問題
大谷が打者としてDHで出場している試合で、クローザーとしてマウンドに立つとDHが解除されます。
チームにとっては戦術面の制約が大きいデメリットとなります。
3. 二刀流の負担増
先発なら中4〜5日の登板間隔で調整できますが、クローザーは試合展開次第で毎試合でも登板の可能性が生じます。
打者としてもフル出場している大谷にとって、肉体的・精神的な負担は計り知れません。
シーズンを通して安定したパフォーマンスを維持できるかは未知数です。
4. 「先発としての価値」を捨てることになる
大谷翔平は先発としてもメジャー屈指の成績を残しており、その「イニングを稼げる価値」をクローザー起用では活かせません。
先発エースとクローザー、どちらがチームにとって最大の利益かという問題は、議論を呼ぶでしょう。
まとめ
大谷翔平のクローザー起用は、WBC決勝戦や日本ハムのCSファイナルステージで結果を残したように「実績あり」の戦略です。
大舞台での勝負強さや160キロ超の速球を活かせる点は大きなメリットですが、起用法の難しさやDH解除のルール、二刀流への負担といったデメリットも無視できません。
現状では先発エースとしての価値が高い大谷ですが、短期決戦や優勝をかけた試合など「ここ一番」の場面では、再びクローザー・大谷翔平が見られる可能性は十分にあります。
ファンにとっては、それもまた夢のような瞬間になるでしょう。