こんにちは。
今回は上記のような疑問にお答えしていきます。
実は勝利投手と敗戦投手の条件は野球経験者でも理解しきれていない結構複雑なルールになっているので、ぜひ本記事をチェックしてみてください。
✔︎本記事の内容
- 勝利投手の意味と条件【ちょっと複雑です】
- 敗戦投手の意味と条件【シンプルです】
目次
勝利投手とは
勝利投手とは野球の試合において勝利チームの責任投手のことを意味します。
引き分け試合を除いて、必ず1試合に1人の投手が勝利投手になります。
プロ野球ではシーズンを通して勝利投手になった回数が一番多い投手は「最多勝利投手」として表彰されますね。
通常、1シーズンで13〜17勝を挙げれば最多勝を狙えますが、数年に一度のペースで20勝以上を挙げる化け物投手も現れます。
勝利投手の条件
勝利チームの責任投手が勝利投手になりますが、勝利投手になるには条件があります。
原則としては味方打線が決勝点(勝利を決めた得点)を入れた際に投げていた投手が勝利投手となります。
その上で勝利投手が決まるポイントとして以下の3点があります。
- 【基本】味方打線がリードを奪った直前に投げていた投手
- 【先発投手の場合】5回以上を投げた投手
- 【救援投手の場合】勝利に効果的な投球をした投手
それぞれ解説します。
【基本】味方打線がリードを奪った直前に投げていた投手
まず基本として以下の規定があります。
ある投手の任務中、あるいは代打者または代走者と代わって退いた回に、自チームがリードを奪い、しかもそのリードが最後まで保たれた場合、その投手に勝投手の記録が与えられる。
引用元:公認野球規則
公認野球規則の内容を噛み砕くと次のようになります。
味方打線がリードを奪った直前に投げていた投手が勝利投手になる
「リードを奪った直前に投げていた投手」とは
- 先行の場合はリードを奪った直前の回の裏を投げた投手
- 後攻の場合はリードを奪った回の表を投げた投手
のことですね。
この勝利投手の基本を踏まえた上で先発投手と救援投手でそれぞれで勝利投手になる例外条件があるのでそれについて解説します。
【先発投手の場合】5回以上を投げた投手
先発投手は、次の回数を完了しなければ勝投手の記録は与えられない。
(1) 勝チームの守備が6回以上の試合では5回。
(2) 勝チームの守備が5回(6回未満)の試合では4回。引用元:公認野球規則
先発投手の場合は5回以上を投げないと勝利投手の権利は得られません。
仮に序盤に味方打線がリードを奪って先発投手が好投したとしてもその投手が5回未満で降板した場合はその後に投げたリリーフの誰かが勝利投手となります。
また逆に先発投手が5回以上を投げてリードを保ったまま降板しても、救援投手が打たれて同点に追いつかれてしまったら先発投手の勝利投手の権利は無くなってしまいます。
【救援投手の場合】勝利に効果的な投球をした投手
救援投手が勝投手として記録されるには、その投手が最低1イニングを投球するか、試合の流れ(スコアも含む)の中で試合を決定づけるアウトを奪うこと、というのが本項の趣旨である。最初の救援投手が効果的な投球をしたからといって、ただちにその投手に勝を与えるべきではない。なぜなら、勝投手は、最も効果的な投球をした投手に与えられるものであり、続く救援投手が最も効果的な投球を行なうかもしれないからである。どの救援投手に勝を与えるかを決定するには失点、自責点、得点させた走者数、試合の流れを考慮しなければならない。もし2人以上の投手が同程度に効果的な投球を行なった場合は、先に登板した投手に勝を与えるべきである。
引用元:公認野球規則
救援投手の登板中に味方打線が勝ち越した場合は以下の優先順位で勝利投手が決まります。
✔︎❶ 味方が勝ち越す直前に投げた投手の投球回で判断
- ❶-1. 1回以上の場合 →その投手が勝利投手になる
- ❶-2 .1回未満かつ2失点以上の場合 →原則としてその投手は勝利投手になれないので❷に進む
✔︎❷ ❶の後任の投手の人数で判断
- ❷-1. 1人だけの場合 →その投手が勝利投手になる
- ❷-2. 2人以上の場合 →❸に進む
✔︎❸ 他の投手よりも投球回が1回以上多い投手がいるかどうかで判断
- ❸-1. 1回以上多い投手がいる場合 →その投手が勝利投手になる
- ❸-2. 投球回の差が1回未満の場合 →効果的な投球をした投手が勝利投手になる(❹に進む)
✔︎❹ 効果的な投球をした投手の人数で判断
- ❹-1. 効果的な投球をした投手が1人の場合 →その投手が勝利投手になる
- ❹-2. 効果的な投球をした投手が複数の場合 →先に投げた投手が勝利投手になる
救援投手については上記❶〜❹の判断条件によって公式記録員が最終的な勝利投手のジャッジを下します。
敗戦投手とは
野球における敗戦投手とは、敗戦チームの責任投手のことです。
勝利投手と同様に、引き分け試合を除いて1試合に1人の投手が敗戦投手になります。
敗戦投手の条件
敗戦投手について公認野球規則には以下のような記述があります。
自己の責任による失点が相手チームにリードを許し、相手チームが最後までそのリードを保ったとき、その投手に敗投手の記録を与える。
引用元:公認野球規則
自分の失点によって相手チームにリードを許し、そのまま試合に負けてしまった場合にはその投手が敗戦投手になります。
勝利投手&敗戦投手まとめ
本記事では勝利投手と敗戦投手についてまとめました。
- 1試合に勝利投手と敗戦投手がそれぞれ1人決まる
- 原則として決勝点が入った際に投げていた投手が責任投手(勝利投手or敗戦投手)となる
- 勝利投手の条件3つ
- 【基本】味方打線がリードを奪った直前に投げていた投手
- 【先発投手の場合】5回以上を投げた投手
- 【救援投手の場合】勝利に効果的な投球をした投手
- 敗戦投手の条件
- 自分の失点によって相手チームにリードを許した投手
以上です。