野球において「初回先頭打者ホームラン」は、試合開始直後に一気に試合の流れを変える一発です。
単なる1本のホームランにとどまらず、得点面でも心理面でも大きなインパクトを残します。
本記事では、初回先頭打者ホームランの意味と効果を整理しつつ、メジャーリーグ(MLB)と日本プロ野球(NPB)におけるシーズンランキング、さらに連続記録や時代背景の移り変わりについて紹介します。
目次
初回先頭打者ホームランとは?
初回先頭打者ホームラン(初回先頭打者本塁打)とは、試合の1回表または裏に打席に立つチームの最初の打者が放つホームランのことです。
特に試合の最初のバッターがプレーボール初球に打つホームランのことを初回初球先頭打者ホームランと言います。
初回先頭打者ホームランの効果
初回先頭打者ホームランを打つ効果は大きく下記の3点です
- 即座に先制点を奪える
単純明快な効果ですが、試合開始数球で1点を先制できます! - 投手に心理的プレッシャーを与える
立ち上がりにいきなり失点することで、以降の投球に影響が出るケースがあります - チームと球場の雰囲気を変える
試合開始直後にムードを一気に盛り上げ、攻撃側に流れを引き寄せる効果があります
メジャーリーグシーズン最多ランキング(12本以上)
MLBでは近年、長打力のある打者を1番に起用する傾向が強まり、先頭打者ホームランの記録も更新され続けています。
記録 | 選手 | 年 | 球団 |
---|---|---|---|
15本 | カイル・シュワーバー | 2024 | フィリーズ |
13本 | アルフォンソ・ソリアーノ | 2003 | ヤンキース |
12本 | ブレイディ・アンダーソン | 1996 | オリオールズ |
12本 | アルフォンソ・ソリアーノ | 2007 | カブス |
12本 | ジョージ・スプリンガー | 2019 | アストロズ |
12本 | ホセ・アルトゥーベ | 2022 | アストロズ |
12本 | ムーキー・ベッツ | 2023 | ドジャース |
日本プロ野球シーズン最多ランキング(8本以上)
日本でも過去に俊足巧打タイプだけでなく、長打力のある選手が1番に座り記録を初回先頭打者弾の記録を残しています。
記録 | 選手名 | 年 | 球団 |
---|---|---|---|
9 | 高橋 由伸 | 2007 | 巨人 |
8 | 福本 豊 | 1972 | 阪急 |
8 | ヒルトン | 1978 | ヤクルト |
8 | 石毛 宏典 | 1986 | 西武 |
8 | デューシー | 1996 | 日本ハム |
8 | 緒方 孝市 | 1999 | 広島 |
8 | 西岡 剛 | 2009 | ロッテ |
高橋由伸が放ったシーズン9本は今もなお日本記録であり、開幕戦での初回先頭打者ホームランは記録的な一打として語り継がれています。
連続試合初回先頭打者ホームラン記録
MLB記録
オリオールズのブレイディ・アンダーソンが1996年4月に「4試合連続」で初回先頭打者ホームランを記録しています。
NPB記録
阪神の松永浩美が1993年8月20日から8月22日にかけてヤクルトスワローズとの3連戦で「3試合連続」で初回先頭打者ホームランを記録しています。
しかも松永選手は両打ちのため、1試合目は左打席、2試合目は右打席、3試合目は左打席で本塁打を放っています。
何試合も連続で試合開始と同時にホームランを放つことは、相手チームにとって悪夢のような展開といえるでしょう。
最近の1番・2番最強打者説への移り変わり
かつての野球は「1番=俊足出塁型」「2番=送りバントやつなぎ役」という起用が主流でした。
しかし2000年代以降、セイバーメトリクスの普及により「打席数の多い1番や2番に強打者を置くべき」という考え方が浸透。
その結果、MLBではムーキーベッツやシュワーバーのように長打力のある選手がリードオフに座り、NPBでも高橋由伸のような強打者が1番を務めるケースが増えていきました。
まとめ
初回先頭打者ホームランは、試合の流れを一変させる特別な一打です。
- MLBのシーズン最多記録はシュワーバーの15本
- NPBのシーズン最多記録は高橋由伸の9本
そして現代では「1・2番に最強打者を置く」戦術が一般化し、初回先頭打者本塁打はさらに重要な要素の一つとなっています。
大谷翔平選手もメジャーリーグで先頭打者ホームランを量産していますね。