野球のルールには、初心者には理解しにくいものが多くあります。
中でもインフィールドフライは初めて見た人にはなかなか理解しづらいルールのひとつです。
そこで、本記事ではインフィールドフライの定義やルールについて、できるだけわかりやすく解説していきます。
✔︎本記事の内容
- インフィールドフライとはどういう意味?
- インフィールドフライの宣告条件
- インフィールドフライ宣告後のルール(捕球した場合と落球した場合の違い)
目次
インフィールドフライとは何か?
インフィールドフライとは、打者が打った打球が内野に落ちることが予想される場合に、打球を捕球できる内野手がいるときに宣告されるルールです。
そしてインフィールドフライを宣告されたらバッターはその時点で自動的にアウトになります。
インフィールドフライは、打者が打った打球が内野に落ちるかどうかが判断基準となります。
インフィールドフライのルール(発生条件)
インフィールドフライが宣告されるためには、以下の条件が揃う必要があります。
- 打者が内野フライを打ち上げて普通のプレーをすれば野手が捕球できること
- 無死または一死であること
- 走者一、二塁または満塁であること
この条件が揃った場合、審判はインフィールドフライの宣告を行います。
これらの条件は守備側が打球をわざと落としてダブルプレーを狙うなどの意図的なプレーを防止するために設けられています。
例えば無死一、二塁で内野フライが上がった際にもしインフィールドフライというルールがなければ内野手は意図的にフライを落としてダブルプレイを狙うことができてしまいます。
インフィールドフライが宣告されない場面はどんな時?
下記のような場面では内野フライが上がってもインフィールドフライは宣告されません。
- 二死
- 走者無し・走者一塁・走者二塁・走者三塁・走者一、三塁・走者二、三塁
野手が故意落球をしたらどうなる?
インフィールドフライが宣告された時点で打者アウトが確定しているので、内野手が打球を落としてしまった場合でもバッターはアウトのままです。
詳しくは「インフィールドフライを落球して落とすと選手はどんな動きをすべきか解説」を読んでみてください。
インフィールドフライの歴史
インフィールドフライは、1895年にアメリカで初めてルール化されました。
- 1895年:インフィールドフライルール制定(一死の時のみ適用)
- 1901年:無死の場合でも適用されるようにルール改定
- 1904年:ライナー性の打球が適用除外される
- 1920年:バントフライの打球が適用除外される
インフィールドフライ宣告後のルール
インフィールドフライが宣告されたらバッターはアウトになりますがその打球を野手が捕球するか落球してしまうか次第でランナーの動きに注意が必要です。
野手がインフィールドフライを捕球した場合
野手が正規に打球を捕球した場合、ランナーは「通常のフライ」と同じ動きをすればOKです。
通常のフライと同じなのでベースに戻って次の塁を狙ってタッチアップすることも可能です。(内野フライなのでそんな次の塁を狙う状況は滅多になりませんが)
ただしボールインプレー中なので守備陣はインフィールドフライが宣告されてもランナーの動きに注意する必要がありますね。
野手がインフィールドフライを落球した場合
インフィールドフライが宣告された後に野手が落球した場合でもバッターランナーは既にアウトになっているので元々のランナーに進塁義務は発生しません。
野手が落球したからといってあわてて進塁する必要はなくもともといた塁にいればOKということですね。
しかしながら走者に進塁義務が発生しないので守備陣側がランナーをアウトにするためにはタッチプレーが必要になります。
2015年5月4日の広島対巨人の試合ではインフィールドフライ落球時の対応で巨人が痛い敗戦を喫しています。
2対2の同点、広島の攻撃、9回一死満塁の状況で捕手の手前にフライが上がりインフィールドフライが宣告されましたが、巨人守備陣がこのフライを落球してしまいます。
慌てて三塁ランナーはホームに走り出しますがボールを拾った一塁手がそのまま本塁を踏み三塁ランナーはアウトになったかと思われました。
しかし一塁手は三塁ランナーにタッチしておらず三塁ランナーが本塁を先に踏んでしまったので広島のサヨナラ勝ちが決まってしまいました。
インフィールドフライまとめ
インフィールドフライは、野球において重要なルールのひとつです。
打者の打球が内野に落ちることが予想される場合に、打球を捕球できる内野手がいるときに宣告されるアウトのルールであり、ダブルプレーを狙うなどの意図的なプレーを防止するために設けられています。
野球を観戦する上で、このルールについて理解しておくことは、野球の楽しみ方を深めることにつながります。