こんにちは。
メジャーリーグから以下のようなニュースが日本に届きました。
メジャーリーグ機構(MLB)と選手会が、報道によれば2023年のシーズンから内野のシフト規制、ベースのサイズアップ、投球時間制限(ピッチクロック)の3つで導入が合意したそうだ。
2023年シーズンから、
- 内野の極端な守備シフトを禁止する
- ベースの大きさを少し大きくする
- 投球間隔に時間制限を設ける
という3つの新ルールを導入することが決定したのです。
そこで本記事では内野の極端な守備シフトを禁止するルールにスポットを当てて詳しく解説していきます。
✔︎本記事の内容
- 極端な守備シフト禁止とは?
- 極端な守備シフト禁止ルールの内容
- 極端な守備シフト禁止の期待効果
目次
メジャーリーグの極端な守備シフトとは?
極端な守備シフトが広まった背景
2010年代後半になってから野球界では
打者の打撃能力やランナーの出塁状況に合わせて極端な守備シフトを取ることでアウトの確率を上げる
という作戦が広く使われるようになりました。
その背景には「スタットキャスト」と呼ばれる選手やボールの動きを高精度に分析してくれるシステムが各球場で導入されたという経緯があります。
スタットキャストのおかげでその打者が、
- どの方向に
- どれだけの確率で
- どういう打球を飛ばすか
についてかなり高精度にわかるようになりました。
なので選手に正規のポジションに守らせずに飛ぶ確率の高い場所にあらかじめ立たせることでアウトにする確率を上げようというのが極端な守備シフト誕生の背景になります。
【図で解説】極端な守備シフト
極端な守備シフトの具体的な例を紹介します。
2021年にア・リーグMVPを獲得した大谷翔平選手に対する守備シフトは以下のようになっています。
✔︎大谷シフト
左打者の大谷選手は引っ張り方向に強い打球を打つ傾向があるので相手チームは
- セカンドはライトの手前を守る(芝生に乗るくらい)
- ショートは二遊間(セカンドベースよりも右)に守る
- サードは本来ショートがいる位置に守る
という守備シフトを敷いてくるケースが多発しました。
また大谷選手に限らず強打者に対しては引っ張り方向に野手を固めてヒットコースを狭める戦術が2010年代後半のトレンドになりました。
シフト禁止ルールの内容
シフト禁止の新ルールでは以下のように野手を配置しなければならなくなります。
✔︎内野手は二塁ベースを境に一塁側と三塁側に二人ずつ配置
大谷シフトや王シフトは一、二塁間に3人以上の内野手が守っていましたが新ルールではそういった極端な守備シフトはできなくなります。
極端な守備シフト禁止の期待効果
極端な守備シフトを禁止する期待効果(メリット)は次の点です。
- 大味な野球になりにくくなる
- 守備力の重要さが増す
大味な野球になりにくくなる
極端な守備シフトを敷かれた時のバッターの心理としては
となりますが、そうなると三振かホームランかという大味な野球になりやすいです。
一方、野手が正規のポジションに守っているとゴロ性の打球でも野手の間を抜けばちゃんとヒットになります。
なので守備シフトを禁止することで様々な性質の打球が再び生まれることが予想されています。
守備力の重要さが増す
極端な守備シフトを敷く際に野手に対して首脳陣が求めるのは
ということです。
つまり広い守備範囲は必要ではなく正面の打球だけきっちり守ってくれればOKということになります。
これに対してイチローさんも2019年の引退会見で、
「頭を使わなくてもできてしまう野球になりつつあるような…」
という発言をしていますね。
極端な守備シフトを禁止することで広い守備範囲を持つ選手が高く評価されやすくなることが予想されています。
まとめ
本記事ではメジャーリーグの極端な守備シフト禁止ルールについて解説しました。
- 2010年代後半から打者の打撃能力やランナーの出塁状況に合わせて極端な守備シフトを取ることでアウトの確率を上げる戦術が流行った
- シフト禁止は「内野手は二塁ベースを境に一塁側と三塁側に二人ずつ配置しなければならない」というルールになる予定(2023年シーズンから)
- シフト禁止の期待効果は「大味な野球になりにくくなる」「守備力の重要さが増す」という点
以上です。
メジャーリーグで採用されたルールはゆくゆくは日本プロ野球でも導入される可能性が十分にあるので今後の動向にも注目しましょう。
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